【増工に安易に走らない方が儲かることがある】

■増工(工事が追加されたり数量が増えること)

 となると、

 利益の額が増えるのと、施主(クライアント)

 からの信頼残高が増えるので、

 応じる会社は多いです。

 (もちろん、断ることもある)


 けれど、安易に増工に走ってしまうと

 むしろ損してしまうこともあるので

 要注意です。

 

■損するとか儲からないことがある

 というのは、

 信頼残高が、ということ。


 利益とかお金だけではないのです。



■以前所属していた会社で、小さい現場の

 施工管理の補助をしたことがありました。

 ちょうど年度末で今頃の時期でした。


 年度末になると、施主は予算消化のため

 工事を追加することが結構あります。

 (予算を消化できず余ってしまうと、翌年は

 余った分が減額されてしまうため)

 で、年が明けたあたりから

 「ここもやって欲しい」

 とか

 「この工事も追加でお願いしたい」

 という依頼が舞い込んできたのです。

■ところが、その現場は最低限の人手・

 重機・資材でなんとか運営していたので、

 所長は断り続けていました。

 

 当時は「利益が増えるし顧客からも

 もっと信用されるんだからやったいいんじゃない?」

 と心の中では思っていました。

 けれど、それを請けてしまうと、

 「工期・納期が遅れてしまう」

 のです。

■所長は「工期を守る」ことを第一に考えており、

 「増工を請けると、工期に間に合わない」

 と顧客に訴えていました。

 顧客は「工期内に完成させてほしい」

 とずっと言っていて、平行線をたどり、

 

 結果、増工はしませんでした。



■今考えると、あのときの所長の判断は

 正しかったと思います。


 追加分を引き受けてしまったら、

 工期内の完成ができずに

 顧客からの信頼を大きく損なってしまったであろう

 ことが容易に想像できるのです。



■しかも、人手不足・重機不足もあり

 工事の品質がきちんと担保できたかどうか

 わかりません。


 所長はそういったリスクをかぶることを避け、

 工期内完成ができるシナリオを守ることで

 信頼残高を稼いだのです。



■もちろん、追加の工事を引き受ければ

 一時的に利益は増えますし、潤います。

 けれど、先々を見ると利益を失ってしまう、

 手放してしまうリスクが大きかったのです。



■すべての追加工事・業務がそうだというわけでは

 ありません。

 ケースバイケースでの対応が必要です。


 けれど、目先の利益・お金だけで判断するのではなく、

 中長期的に見てどうなるか?をきちんと考え

 イメージすることもとても大事です。

 今仕事があっても、将来仕事がなくなったり

 大きく減ってしまったら意味がないですから。



■儲かるからと言って脊髄で乗るのではなく、

 冷静に考えて、よく見てよく話を聴く。

 現状をきちんと見回して、判断する。

 これがとても大事だなと思います。


 特にこの先も、安定して利益を上げたり

 仕事を受注したいのであれば

 ものすごく大事だなと思います。

 そういう意味でも、前述の所長から学んだことは

 かなり大きかったです。


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